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扉座「つか版・忠臣蔵」(6/15)(7/1)に行ってきた。

というわけで、毎度お馴染み、劇団扉座の第50回公演です。初日見た後にさくっと一報記事を上げるつもりだったのに、すっかりこんなタイミングに…。

今回の公演は会場ごとに「スカイツリー編」「厚木あゆコロ編」と名前がついていて、会場は「スカイツリー編」が扉座の稽古場がある、すみだパークスタジオ内の「○倉」(○の中に「倉」という一字)。「厚木あゆコロ編」がいつもの厚木市文化会館・小ホールです。

今回は「スカイツリー編」初日の6/15の夜、そして大千穐楽でもある「厚木あゆコロ編」7/1昼の2公演を見てきました。

見終わって最初の感想は「なるほど」という一語に尽きます。

わたしゃ年齢も30代後半ですし、芝居をちゃんと見るようになってからだと10年も経ってないので、つかこうへいが演劇界を席捲していた時代というのは知りません。というかまぁ、ぶっちゃけ、つか作品の芝居をちゃんと見たのも今回が初めてです。なので、どこまで「つか」らしさが出ていたのかというのは判断できませんが、それでも、「あぁ、これが扉座の原点なんだ」というのは理解できました。

まくし立てるような早口で大量の台詞、大音量で流される歌謡曲、脈絡なく始まるダンス、時代劇風の衣装と現代風の衣装の混在、そういった要素が特徴なんだと思うんですが、今の扉座では直接そういう手法はとらないにしても、エッセンスは感じるなと(もちろん、横内さんがやってるんだから、今回の忠臣蔵が、横内節的なものが混入してる可能性もありますが)。

ただ、「新羅生門」とか昔の作品を思い出すと、もっとストレートにそういう要素が出てたりしてるので、色々模索しながら、扉座は今のようなスタイルになったんだなぁというのが容易に想像できて、にわかなりに感慨深いものがありました。

余談ですが、この「スカイツリー編」初日を見た翌日に、劇団☆新感線「シレンとラギ」(青山劇場)を見まして、新感線も完璧につかこうへいの系譜なんだなぁというのを痛いほど実感してみたり。そりゃあ、限定知らない人には、今回のが新感線の真似に見えるかもなぁと(苦笑)。

閑話休題。

というわけで、最近の扉座の芝居とはまったく違うテイストのものでしたが、なかなかに衝撃的でした。早口すぎるわ、声は潰れ気味だわで、ぶっちゃけすべての言葉が聞き取れるわけではないんだけど、何か感じるものがあるというか…。

大道具はほとんどないし、前述の通り衣装も時代バラバラな感じなんだけど、人間の感情ってものはすごく伝わってくるのですね。この「つか版・忠臣蔵」を見て思ったのは、「人間」というものを描くには、大道具とか時代考証とかどうでもいいんだなぁということ。台詞もそれぞれ大事な台詞がいっぱいあるのだけど、でも大事なのは台詞そのものより、そこに乗せられる感情をいかに客席に伝えるかということの方なのだなと。

シナリオや演出も突っ込みいれようとすればいくらでも入れるところがあるし、ある意味で荒唐無稽な芝居です。クライマックスで流れるのは「リフレインが叫んでる」だしw ユーミンの歌声が流れる中、殺陣やってるわけで。でも、これがなんか胸にくるんですよ。芝居のすべての要素が、感情を伝える道具として使われているという感じでしょうか。

とにかく、観客の感情を揺さぶるにはどうすればいいのかというのを追求しているように感じました。だからもう、熱気がすごい。人間、大声を出しているとテンション上がっていくものですが、そんな台詞ばっかりなんで、どんどんヒートアップしていって、クライマックスの討ち入りの辺りでは、ほんとにすごい熱気に。見てる側でさえ、微妙に頭の中が真っ白になるレベルw

とりあえず、きちんと見れて良かったと素直に思います、はい。

ちなみに「スカイツリー編」と「厚木あゆコロ編」は基本的な話はもちろん同じなんですが、劇場の構造が違うので、演出はだいぶ違っていましたね。規模も○倉は小劇場で、厚木市文は席数が中劇場に近いですしね。

あと、厚木はゆるキャラ「あゆコロちゃん」が登場してたのと、山中崇史さんが、飛び入りで登場してたw 厚木公演のゲストなのかと思ったら、座長のブログとか見る限り、本当に飛び入りだったらしい(苦笑)。

というわけで、こっからは気になった役者さんの短評を。

山本亨さん(宝井其角役)。客演で主演。其角は松尾芭蕉の一番弟子で、作中設定ではゴーストライター。近松門左衛門に小説の書き方を教わりにやってきて、忠臣蔵の執筆を依頼される。大した事件ではなかった浅野内匠頭の事件を、煽って仇討ち事件にして、それを芝居にしてしまえということなわけで。元々つか作品とは縁の深い方なので、がんがんしゃべりまくります。どちらかというと真面目な感じなのが、後半で感情を露にしていくのがなんとも。ぶっちゃけ、ほぼ全員が序盤と終盤では雰囲気が変わるわけですが。

岡森諦さん(近松門左衛門役)。上方きっての人気作家で、作品のためなら心中事件までプロデュースしてしまうというとんでもない人物。岡森さんはやっぱりコワモテが似合うので、この近松のふてぶてしさがすごくいい。ストーリー的には黒幕ではあっても、傍観者っぽい役割なので、要所要所を締める感じですかね。

高橋麻理さん(阿久里(浅野内匠頭の正室)役)。ちょっと声に特徴があるんですよね、麻理さんは。完全に馬鹿殿である内匠頭をなんとか支えようとする様がすごい(切腹の場面でもな)。とにかく赤穂のためにと行動しつつも、其角と駆け落ちしかけた過去があったり、基本的に公人なんだけど、たまに女としての顔も出てきてという風情。

犬飼淳治さん(大石内蔵助役)。いつも通り、ちょっと気の弱そうな人ってのがハマリ役で。作中設定では、内蔵助は筆頭家老でありながら、刀を柄杓に持ち替えて、赤穂の塩作りを指揮している人物。穏やかというか覇気のない序盤から、阿久里への想いを露にして討ち入りに突き進んでいくクライマックスとの対比が見事。

鈴木利典さん(吉良上野介役)。普通にいい人風味なのが、近松達の謀略で、完全に浅野を陥れた悪人にされ、精神崩壊。終盤では、すべての人に憎まれ、赤穂浪士に討ち取られることが生き甲斐になるというある種狂気に突っ走っていく役。生き生きと「みんなから憎まれてやる」と宣言する様は、本人がやる気なだけにとても悲哀に満ちている。

松本亮さん(磯田武太夫役)。浅野内匠頭が切腹する際の介錯人。いわば補欠で、レギュラーが忌引だったために急遽呼ばれたという。松本さんは、確か数年前の研究生ですよね。ここのとこの本公演では、大抵しっかりした役もらってますよねぇ。今回も存在感はすごく、ある種空気をぶっ壊すくらいの大声で熱い発言を繰り返すんだけど、それがすごくいい。切腹のシーンで、家臣に届けられた辞世の句(自分じゃ作れないので)を、つっかえつっかえなんとか読ませるとこが、まず見せ場。終盤には、ひょんなことから吉良と行動をともにし、清水一学として、堀部安兵衛と対決することになる。

新原武さん(市川団十郎役)。いやはや、こんな役がハマるとは思ってもみませんでした。なんか、超然とした感じがすごく役者っぽい。その知名度を利用して、近松と吉良憎しの世論を作っていくのですが、なんというか悪者というより、役者馬鹿って感じなんですよね。近松もそうですが、作品のためには犠牲を厭わないというか。

伴美奈子さん(中村七五郎役)。其角に作品を依頼する、中村座の座頭。近松、団十郎らと黒幕的な位置にいる人です。伴さん的にはもうひとつ大きな役割があって、ナレーションというか、芝居の中にキャスト紹介が組み込まれてるんですが、それを担当しています。芝居の中で「宝井其角、山本亨!」ってやるわけです。これも、つか作品の特徴らしいんですが。

他にも、有馬自由さんのやっぱり中間管理職っぽい雰囲気とか、野田翔太さんの見事な馬鹿殿ぷりとか、いろいろあるのですが、この辺で(苦笑)。

■「つか版・忠臣蔵」公演情報(劇団扉座公式ページ)

テーマ : 演劇・劇団
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

ひぃす

Author:ひぃす
不惑に到達したナンチャッテSE職。日常や、アイマス・サクラ大戦・芝居・落語など、趣味のことを適当に書き綴ります。
twitter: heath_77

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