志らく一門会特別編・真打トライアル3回目

今日(8/18)に内幸町ホールで行われた、立川志らく一門の落語会、志らく一門会特別編に行ってきました。このブログに移ってから、まだ真打トライアルのことは書いてないので、ざっと説明しておこう。

江戸落語では、見習い時代の「前座」、プロの落語家と認められる「二つ目」、弟子を取ることができるようになる「真打」と3種類の階級に分かれています。んでまぁ、真打トライアルってのは、志らく一門の二つ目さん達が、真打昇進を目指して落語をやってる会ってことになります。

それだけだと普通の会のように見えますが、この会は観客と師匠から点数がつきます。観客には投票用紙が配られていて、4人の二つ目のうち、2人までに投票できる。そして、師匠の立川志らくは、それぞれを100点満点で評価する。

4人の落語が終わった後、観客の投票用紙が回収され、最後に立川志らく師匠が登場して、講評を行うという会の構成になっています。

これを6回行って、真打にふさわしいということになれば、志らく師が落語立川流の大ボスである立川談志師に推薦する予定。もちろん、誰も真打に値しないということになるかもしれないし、複数人が推薦されるかも知れない。いずれにしても、公表される形でガチにバトルをやっているのが今の状況です。

ちなみに今回は全6回のうち、3回目になります。

今日は開口一番はなしで、演目はそれぞれ、こしら「青菜」、志らら「宮戸川」、らく朝「猫の災難」、志ら乃「崇徳院」。志らく師匠は多少ネタっぽい話はしたものの、今日は落語はやらず。

以下、わたしの感想と、師匠の評価もあわせて。その場でがりがりメモ取ってるわけではないので、聞き間違い、認識間違いなどもあると思います。備忘録を兼ねた記録ですので、参考程度とご承知いただけると幸いです。

立川こしら「青菜」。
志らく師の総領弟子(一番弟子)でありながら、一門随一の飛び道具であるこしらさん。今日は枕の中で「たがや」っぽい一節をやってみたり、選んだ演目が師匠の十八番でもある「青菜」とかなり古典が強い風味。
とにかく、客席あっためようというのは感じるし、ときどきすごいギャグが飛び出したりするのですが、いかんせん青菜やるにはちょっと厳しいかなぁと。この会に来てる人間は、青菜の基準が高いってのもあるとは思いますが。しかし、あんな硬いこしらさんは初めて見たような気もする。
師匠いわく「芸には押しの芸と引きの芸がある。本来引きの芸であるのが、場を暖めようとがんがん前に出て行って、客に引かれている。ちゃんと古典をやらないと言ったせいか、きっちりやろうとしてることは評価するが技術が追いついてない」。
会場の投票は57、師匠の点数は55。

立川志らら「宮戸川」。
前回は慣れない話をやって散々だったせいか(ちなみに、こしらさん以外はみんな散々だった)、割とやり慣れている宮戸川。
高田文夫事務所の運転手や事務員みたいなことをやっているので、高田先生絡みの枕や、家元のYシャツのボタンを留めた話などをするが、あとで師匠から、そんなに(志ららの)落語を聞く機会ないのに、何度も聞いてる枕をやってると言われてしまったり…。
個人的な感想としては、前回よりはだいぶ良かったけど、やっぱりまとまりがもうひとつかなぁ。
師匠いわく「枕と本編がまったく関係のない話になっている。志の輔師なんかは枕で色んな話をするが、きちんとそれが本編の伏線になっている。『宮戸川』という話は、最後の若い男女の関係がどれだけ艶っぽく見せられるかが肝。前のギャグばかり頑張って、そこがいい加減になってしまっている」。
会場の投票は52、師匠の点数は55。

立川らく朝「猫の災難」。
この人はえらい変り種で、元々はお医者さんで、らく塾という志らく師が一般人向けにやってる教室の生徒だったんですが、どうしても本気で落語がやりたくて、いい年になってから入門したという方なので、風貌はかなりのベテランに見えます。
実際、落ち着いているし、落語も決して下手ではないんです、この方は。良くも悪くも安定しているという感じ。
前回枕を散々に言われたのを気にしたか、枕なしでいきなり本編へ。決してがんがん笑える話ではないので、そんなに受けたりってことはなかったですが、一生懸命やってる感じはすごく伝わってきました。
師匠いわく「下手な枕ならやらない方がいいとは言ったが、そこでセンスのいい枕やって見返してやるくらいのことはやらないと。ただ、前回客をなめてるということを言ったが、1ヶ月一生懸命やったらここまでできるようになった。がんがん一生懸命やったらもっとうまくなるはず。指摘されたことをきちんとやってきているのは評価できる」
会場の投票は54、師匠の点数は70。

立川志ら乃「崇徳院」。
落語界随一の声優マニアという看板がはずれかけている、最近ハロプロマニアな志ら乃さん。
らく朝さんに続き、枕をやらずいきなり本編へ。とはいえ、冒頭部分でらく朝さんのネタをいじったりして、序盤は枕っぽい雰囲気も。
前回やった三軒長屋ネタを織り込んで笑いを取りつつ、中盤から加速していく落語。話がというより、口調が…なんですけどね…。早口で一気にまくし立てるっていうのは、ジェットコースター落語って言われていた、昔の志らく師もそうですが、志らく師の場合は、勢いで押し切れていたんですね。でも、志ら乃さんは、さすがにそこまではいっていない。
師匠いわく「自分が談志の悪い部分だけ真似してしまったように、志ら乃も自分(志らく)の悪いところだけを真似している。そういう部分は当人がやるからこそ面白いのであって、他人がやっても成立しない。ただ、それなりに笑いは取れているし、さんざ言っていた古典落語の美学も崩さないようにやってきてるのは評価できる」
会場の投票は119、師匠の点数は75。


全体的なこととして、志らく師が言っていたのは「楽屋を全部水で埋めろといっているのに、コップを水で埋めてそれで満足してしまっている。そういう小さい世界でしか物事が見ていないので、楽屋全体という大きな世界が見えていない。例えば談志や小三治という人は楽屋どころかホールを水で満たせるが、そういう人たちを「あの人は天才だから」みたいな切り捨て方をしてしまったら、絶対その大きな世界は見えてこない」というあたりですかね。

まぁ、こんな風に、この会は二つ目の人たちを見守る会であると同時に、立川志らくという人の落語哲学が体現される場でもあるのですw

次回は9/19(月・祝)で前売券は完売です。当日券はでる予定とのことです。会場は今回と同じ内幸町ホール。
スポンサーサイト

テーマ : 落語
ジャンル : お笑い

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ひぃす

Author:ひぃす
不惑に到達したナンチャッテSE職。日常や、アイマス・サクラ大戦・芝居・落語など、趣味のことを適当に書き綴ります。
twitter: heath_77

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
QRコード
QR
スポンサーズリンク