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「舞台ドリームクラブ」(8/17 16時)に行ってきた。

アイマス関連の記事はちょっと置いておいて、先週末行われたドリクラ舞台の話です。

会場はラゾーナ川崎の5階にある「プラザソル」200席弱の小劇場として使えるスペースですな。6公演のうち、17日の16時の回に行ってきました。

まぁ、このブログ見てる人なら説明もいらないだろうけど…。「ドリームクラブ(DREAM(C)CLUB)」は、XBOX360版の初代から始まった、ピュアな紳士の社交場、ドリームクラブを舞台にしたギャルゲーのシリーズでございます。発売元はディースリー・パブリッシャー(以下D3P)。

このドリクラが舞台化という、ゲームを知ってる人であればあるほど「お前正気か!?」というような情報が飛び込んできたのが4月。「エイプリルフールから10日も遅れてるぞ、こやつめ」なんて言ってたのが懐かしい。

でだ。オーディションの情報はあったものの、ろくすっぽ中身に関する話が出てこず、断片的に関係者がブログやtwitterで発信する内容しかないような状況で、当日を迎えたわけで…。ただでさえ、うまく舞台化されるイメージができない作品なのに、情報がなく、どんだけ不安な気持ちで劇場に向かったのかはわかっていただけるかと思う。

実際に蓋を開けてみたところ…。うん、びっくりした。よくぞここまで作り上げたと素直に思う作品に仕上がっていました。

とにかく、キャラがしっかり作られていたのが印象的。ドリクラはポリゴンの3Dキャラなわけだけど、ゲームキャラの動きをトレースしているし、しゃべり方や声もキャラとして違和感のないものだった。正直、二次元コンテンツの舞台化作品を見て「再現度がすごい」と思ったのは、宝塚版の「逆転裁判」以来。

まず、開演前の時間帯に、ステージに置かれているソファにホストガールが出てきて、ゲーム内の接客シーンを再現するんだけど、それを見た瞬間に、「あ、これは思った以上にしっかり作ってきてるな」というのを感じました。相方たる主人公がいないので、演者のひとり芝居になるんだけど、ゲーム内のシーンがきちんと再現されてるのね。しかも途中からホストガールが酔っ払った曲に変わり、そっから酔っ払いモードの接客に変わるという…。言葉遣いがおかしくなり、ふらふら揺れてる様は「よくやるなぁ」と思ってしまったくらい。ただ、ドリクラといえば「酒」なのに、酒に関わる部分がこの部分しかなかったのは、ちょっと残念。

本編のストーリーは、ドリームクラブ30周年を記念して、ホストガール総出演のレビュウショウをやろうとオーナー(いつものあの人だ)が言い出し、それにまつわる話を主軸に同時進行で4つの話を描いたもの。

亜麻音・遙華を中心にしたレビュウショウのセンターに関する話、不調に陥ったアイリに関する話、魔璃とあすかに関する話、理保と妹の真琴に関する話の4つの話が、同時並行的に進んでいきます。ホストガールの全員を4つの話に割り振ってるんだけど、その組み合わせは「なるほど」と思わせるもので、キャラ設定とかシナリオとかよく読み込んでるなぁと。

最後にはすべての問題にケリがついて、全員集合してレビュウショウとなるわけですが、曲目はゲームからそのまま引っ張って来ていて(というか、BGMも基本ゲームから持ってきてるし)、「夢見るCaged Bird」「JEWEL」「Time traveler」「ココロのコトバ」「絶対アイドル☆宣言「Pure色100萬$☆」。で、カーテンコールならぬアンコール枠の「恋・KOI☆week end!」。

アンコールのときにさー、「アンコール!アンコール!」って声がステージから聞こえて来て、何かと思ったら、スミス&ウェッスン(遙華の護衛っつーかSP)がステージ上からアンコール煽ってんだよwww あれはなんつーか、とてもずるいものだった(というか、S&W自体が全体的にずるかったけど)。

というわけで、会場の狭さもあり、距離感はまさにキャバレーのショウという風情で、いろんな意味で「ドリームクラブ」を出現させることには成功したのではないかなと思います。

と、ここまでざっくりと素晴らしさについて説いたので、こっからは客観的な、というか芝居好きの目から見たどちらかというとネガティブな要素について、ざざっと書いていきます。

まず、公演についての情報提供。キャラもの芝居としては、かなりいい出来であったこの作品ですが、果たしてターゲットたる原作ゲームファンに情報が届いていただろうか。直近になってもお世辞にも盛り上がっているという雰囲気にはなっていなかったし、(公演主体ではなく、版権許諾を出している側とはいえ)D3Pからの情報提供も特になされなかったように思う。ゲネプロの記事は各ゲーム媒体に掲載されたけど、あれで初めて知ったとか「そういえば」と思い出した人も多かったんじゃないかなぁ。

実際、客席を見ると、積極的に情報提供をしていた出演者のファンだったり、出演者の関係者の方だったり、キャラもの芝居ではなく、出演者目当ての観客が中心であったように感じました。それ自体は小劇場演劇では極普通のことだけど、もっとゲームファンにリーチする方法があったんじゃないのかなというのは強く思います。ドリクラファンでも、どこぞのゲハブログのまとめ記事だけ目にしてるなんて、最悪の状況になってる人も多かったりしないかなーとちょっと心配。

次に、座席配置。凸型のステージで、その出っ張った部分を囲むように座席が置かれていました。この配置だとスステージ両脇の席の人間は、メインステージで行われることが目に入らない。出っ張り作るなら、せめて弧を描く形で席を配置しないと、ステージ上の至るところに死角ができてしまう(実際、ステージの端での演技はわたしゃ見るのあきらめておりましたし)。演劇の座席配置としては、ちょっとありえない形になっておりました。常に突き出した部分でやるキャバレーのショウであるなら、わかるんだけどね。

で、脚本。これはキャラもの芝居の評価とはアンヴィヴァレンツな部分があるので、あくまで、純粋に芝居の脚本として見たときの評価だということは理解しといてください。

2時間程度の芝居なのに4本の話が並行で進むのはちょっと多すぎるし、実際意味不明になってしまった部分とか、掘り下げが足りなかった部分があった。単に芝居の構成だけ考えるなら、ストーリーは亜麻音・遙華の話をメインに、理保・真琴の話をサブにして、がっつり掘り下げた人間劇にした方がいい芝居にはなる。

ただ、これについては、脚本家も演出家も百も承知でやっているはずです。キャラもの芝居の先駆者であるサクラ大戦について、広井王子氏が語った言葉でこんなのがある。

「主役が8人いる芝居を誰も作りたくない。全員に歌が均等にあって、ほぼ台詞も均等にあるぐらいの舞台って、本来舞台じゃない。芝居にはならないから、ありえないから。8人全員に気を使った演出って誰もやりたくない。全員を輝かせるって、それはお客さんのためなんだけど『お客さんのために』って言ってやれる演出家は少ない。どうしても演出家って自分の色が出るからトラブっちゃう。それを恐れて誰もサクラには触れたがらない」(Webラジオ「狼虎滅却サクラジヲ・こちら甲板通信局」第30回(2010年3月))

ギャルゲーってのは、本来プレイヤーが誰かをヒロインに決めて攻略しているタイプのゲームです。だからこそ、(メイン格のキャラはいたとしても)本来全員が並列の関係で全員が主役なんですな。んで、実際に各キャラにファンも付いていたりする。だからこそ、全部のキャラが主役の扱いでやらにゃいかんという話なんです。

今回のドリクラ舞台、この「すべてのキャラを主役に」ということが、愚直といってもいいレベルで貫かれています。芝居のテンポを多少悪くしてでも、また掘り下げ不足になる部分はあっても、それでもきちんと全員に見せ場を作り、作品としてまとめるということをやってきました。

だから、実際に公演を見た人なら、全キャラについて「ここが良かった」って言えると思います。そんな芝居、作るのは至難の業なんです。

当然、そんな作り方をしたら、いびつな芝居になりますから、不十分になっている部分は多々あります。全力で否定する人はいるはずです。いや、いなかったらおかしい。というか、あたしも単純に芝居目線で見ていたら、そういう評価を下すかも知れん。でもまぁ、わたしは長くサクラ大戦も見ている人間なので、今回のこの舞台ドリクラを見たときに、真っ先にこの広井さんの言葉が思い浮かびました。それはとりもなおさず「ものすごくキャラを大事にしているな」と感じられたので、むしろ感動したくらいなのです。どのくらい感動したかって、普段やらないのに、思わず演出の深寅さんにtwitterでmention送ってしまったくらいですよw

あと、もう1個だけ。最後のレビュウシーンは、ペンライトの使用がOKだったのですが(スクリーンにここから使用OKと表示された。初日はなかったらしいですね)、これは完全禁止で舞台ルールに沿って手拍子くらいでよかったんじゃないかなぁと思います。個人的にぱっとモード切り替えるのが苦手っていうのもあるんだけど、芝居目線で来てる人からすると、あのノリはとても抵抗感が強い人も多いですから。

出演者の方々、今回が初舞台という方もそれなりにいらして、正直まだまだこれからという部分も多々ありましたが、全体としてとても愛の感じられる舞台でした。

twitterでも書きましたが、終演後、公演DVDの予約に列ができていたことが、観客の偽りない感想であろうと思います。繰り返しになりますが、キャラもの芝居ってのは独特の世界で、普通の芝居と似ているようで、まったく違う方向を向いている部分もあります。願わくば初観劇だった人たちはこれが舞台への入り口となりますよう。本格芝居はまたまったく違う世界だけど、それも楽しいんだっぜ。

なんか、割と支離滅裂になってしまったけれども、大体そんな感じで!
(もしかしたら、補足したり、もう1本書いたりするかも知れないけど…)

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ミュージカル「幕末ガール(坊ちゃん劇場)」(12/8)に行ってきた。

また、広告が出てるぜ(FC2は1ヶ月記事がないと広告が出る仕様)。しばらく書いてないと、すぐに億劫になるのですよね…。いかんいかん。で、久々の記事はやっぱり観劇記事です。

ミュージカル「幕末ガール~ドクトルおイネ物語~」を観劇してきました。会場は「坊ちゃん劇場」。

さて、このブログをご覧いただいている中で、坊ちゃん劇場をご存知の方はどれくらいいるだろう。名前から想像がつくかもしれませんが、夏目漱石の「坊ちゃん」から名前をとっているミュージカル劇場で、愛媛県は東温市にあります(松山市の隣)。まぁ、ぶっちゃけ、松山刑務所のすぐそばだったりするんだがな(苦笑)。

この劇場の特徴は、四国にゆかりの人物・出来事をモデルとした作品を、約1年に渡ってロングラン上演をしていること。今回見てきた「幕末ガール」は、坊ちゃん劇場の7作目で、2012年4月から2013年3月の期間で上演されています。

席数は452といいますから、大体、紀伊國屋サザンシアターと同じくらいですね(468席)。常設劇場でロングラン公演をやっているだけあって、会場内で特筆すべきはその舞台装置と大道具。ステージは全体が船の中を模した作りになっているのですが、えらい高いところに袖との出入口があったり、客席の上部まで縄のような飾りが出ていたり(実はこれ電飾で、あるシーンでは光る)。また、1年間使うものだからでしょう、通常見るような舞台装置に比べると遥かにしっかり作られていることが、客席から見ているだけでもわかります。

この舞台装置、金井勇一郎さんがデザインしたものですが、それを見た脚本・演出の横内謙介さんが「これは、きっと現場から泣きが入ってくると、覚悟した」(横内謙介Diary 2012年3月29日)と思った代物です。リンク貼っておくので、興味のある方は是非、横内さんのブログ全文を読んでいただきたい。この舞台装置が、いろいろ規格外れであることがわかると思う。

さて、そろそろ内容に。この作品はシーボルトの娘で、日本初の産科女医となった「イネ」を中心に据えた作品です。

物語は、神戸から宇和島への最後の航海に出ている一隻の蒸気船から始まります。この船には老齢のイネとお供の三吉が乗っていて、あるトラブルが船上で発生する。それに対処するイネ、またそれに絡んで三吉の口から語られる若き日のイネの話。この2つの時間軸が入り混じりながら話は進んでいきます。ステージセットが船の中なのはそういうわけです。まぁ、客席も含めて船上なんですけどねw

細かいストーリーについては、これから見られる方もいるかも知れないので、このくらいにしておこうか(まぁ、予想外の展開を楽しむという系統の作品ではないので、語ってもそんなに問題ないでしょうけど)。でも、とても笑えて、とてもジーンときて、見終わって何か元気をもらえるような作品だったのはここに記しておきます。

キャスト陣はみなすばらしく、特に強烈だったのは、若きイネの五十嵐可絵さんと、二宮敬作の中山城治さん。可絵さんはわたしゃ「アトム」の新宿公演以来かな。あそこまで声量ある人だとは思っていなかった。歌いだして正直びっくりしました。中山さんは坊ちゃん劇場のベテランでやっぱり声量が半端ない。一幕の途中でこのふたりのデュオがあるのですが、もうぞくぞくしっぱなし。

老齢のイネの戸谷友さんも非常に味のある芝居をされていて…。時に凛々しく、時にかわいらしく、チャーミングなおばーちゃんを演じられておりました。ちなみに、この戸谷さん、実は高校の芸術鑑賞会で俺は見ていたりする(苦笑)。劇団民藝の「アンネの日記」だったのだがな、なぜか強烈に印象が残っているんだ。

そして、われらが扉座のガン平さんこと、三吉の岩本達郎さん。ある種、狂言回し的な立ち位置なんですが、まぁいい三枚目役です。台本にあるのかアドリブなのかわからないけど、ちょろちょろなんか変なことやってるんですよね(苦笑)。いつものガンちゃんで安心しましたw

というわけで、以下まとめ。

今回、これを観るのを主目的に愛媛まで遠征したわけですが、行ってよかったなと素直に思える作品でした。芝居が始まって、まず舞台装置にびっくりし、キャストの安定感に安心し、そして物語にほっとするという。正直、途中でどこにいるのかわからなくなったくらいで(苦笑)。

こう言ったら、地元の人が気を悪くするかも知れないけど、片田舎でこじんまりとやってるような芝居じゃないんだ。もう何もかもが。脚本・演出が横内健介、振付がラッキィ池田夫妻、舞台美術は金井勇一郎というスタッフ陣容見た時点でもうただ事じゃないですが、それだけじゃない、もう作品全体のクオリティが東京のど真ん中でやっても、間違いなく評判が取れる作品なのです。

まぁでも、題材が題材だし、地元でやってこそであろうとは思いますけどね。あと、450席の劇場で1年ロングランなんて、地方だからこそ成立するのかも知れません(コスト的な意味で)。だって「幕末ガール」って、3500円ですぜ、チケット代。わたしが見た土曜公演でも、客の入りは6割程度でしたし、東京だったら到底成立しないと思うもの(まぁ、東京でやったら、もっと客は入ると思うけど)。

客層もすごく面白かったです。たまたまなのかも知れませんが、非常に年齢層が高く、地域の落語会もかくやという感じでした。前の方にいらした方々はどうも常連さんらしく、カーテンコールの振りも皆さん綺麗に揃ってらっしゃいましたしw こうやって、地元の方々に愛されるのであれば、それはそれでいいことだなぁ。

でもねぇ、これ地元民に独占させるにはもったいない作品ですよ、本当に。さすがに、このためだけに四国まで行くにはどうかと思いますが(数万のチケットだと思うと、さすがに、ね)。でも、近くに行く用事があれば、多少の無理をしてでも、足を伸ばして欲しいと思う。絶対、損したとは思わないから。それで損したと思った人がいたら、俺がチケット代返すよ、ほんと(チケット代だけな!)。


■坊ちゃん劇場(公式ページ)

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「サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~」(10/20夜)に行ってきた。

すっかり間があいてしまっておりますが…。ようやく観劇日記(?)が復活ですよ。本来なら扉座公演を先に書くところなんですが、思うところあって、こちらを先に。

というわけで「サ・ビ・タ」です。会場は最近閉鎖問題で話題の青山円形劇場。

元々この作品は韓国原作のミュージカルで、かの地では史上最長のロングランが続いている作品だそうで(今でもやってるのかしら)。日本では2008年に初演、2010年に再演、今回が再々演です。

今回、見に行こうと思った最大の理由は、まぁご想像の通り、とまっちゃんの初舞台です。とまっちゃんの初舞台、しかも円形なら超至近距離で見れるじゃないかという、若干よこしまな感情のもと取ったチケットだったり。

青山円形のことは「オリビアを聴きながら」のときにもさんざっぱら書きましたが、ステージを360度客席が囲む形状をしています。各ブロックは5列しかなく、最後列でもステージまでは約5mというものすごくライブ感の溢れる会場です。

でまあ、そんなよこしまな感情で行ったわけですが、いやはやなんというかすごい作品でした。観客参加型とは聞いてましたが、あそこまで積極的に取り込んでいくとは思ってなかった(苦笑)。一部の席に音効用の道具が置いてあって、SEとして参加するってのは聞いてたんですが、それ以外にもピックアップされてステージに上げられたり、出演者から普通にいじられたり、とにかく客席全部を巻き込んでしまえという気合を感じましたw

出演者は兄ドンウク役の駒田一、弟ドンヒョン役の佐々木喜英、ユ・ミリ役の戸松遥というメイン3人に、「観葉植物の妖精」として横山達夫、塚越眞夏、黒沼亮という合計6人です。妖精さん達は雰囲気に合わせたダンスをしたり、小道具や大道具をセッティングしたり、舞台を回転させたりと、ダンサー兼黒子の役割を担っています。円形劇場なので、こういう形にしたんでしょうね(普通の劇場の場合、キャストは3人だけ)。

内容は家族愛をテーマにしていて、かなりストレートにそういう話をやってくるので、正直、日本人の感覚だと、見ててちょっとこっ恥ずかしいところはある(苦笑)。確かにこういう話は日本ではあんまりないですね。韓流ブームと言われていて韓国ドラマが受けてたのは、そういうストレートさが逆に新鮮だったという話もあったので、まぁそういう作品を想像していれば、概ね雰囲気は外さないかと。

で、実際に見終わっての感想ですが…。俺は駒田一という役者をとても過小評価していたんだということを思い知らされました。駒田さんといえば、真っ先に浮かぶのは「レ・ミゼラブル」のテナルディエや、「ラ・マンチャの男」のサンチョといった役で、ちょっとおどけた三枚目ポジションの脇役って印象なのよね。

ところが、この「サ・ビ・タ」の駒田さんはすごい。冒頭数十分は、駒田さんの一人芝居なのですが(妖精さんはいます)、ちょっとした前説みたいな話や観客いじりを交えながら、客席をしっかりと掴んでいきます。そして、そのものすごい存在感と安定感で、開演してすぐに舞台を支配していました。だから、駒田さんが作り上げた舞台の上に、佐々木君ととまっちゃんが遊びにくるって図式なんです、完全に。もうなんかねぇ、とまっちゃん見に来たのに、駒田さんの存在感にゾクゾクしっぱなしですよ(苦笑)。ひとりだけ次元が違うんだもの、ほんと。

だから、佐々木君やとまっちゃん目当てで見に来た人は、綺麗にお膳立てされた状態で見れたと思うし、がんがん駒田さんが2人の引き出しを引っ張りだしてるのが見れたと思う。実際、2人は非常に生き生きと動けてたしね。

佐々木君、とても声がいいですね。円形劇場なので、袖が使えず、舞台上での着替えがあったり(俺と同年代の人は、懐かしい光景が見れるぞw)、色んな意味で大変な役ですが、荒削りながら、きっちりと演じきって、また見たいと思わせる役者さんでした。

そして、とまっちゃん。登場シーンからぶっ飛びまくっていて、出てきた瞬間に空気が変わりますw ものすごいハイテンションで、オーバーアクション。微妙に重たい空気を引っ掻き回しまくります。そして、ステージ狭しと走り回ります。いやー、脚細いねぇ…(ぉ

そういえば、今回の客層は東宝制作のミュージカルではちょっと見たことないような客層でしたね。若い女性と、「俺ら」が大半で、いわゆるミュージカルファン的な人はちょこちょこって感じでしたね。まぁ、ミュージカルファンが駒田さん目当てで見にくるには弱いんだろうなぁ…。逆に佐々木君やとまっちゃん目当てで見に来た人にとって、ミュージカルの入門編になったら面白いなぁとは思った。

わたしゃスケジュールの都合で1度しか見れてませんが、スケジュール取れたらもう1回くらい別ブロックで見たかったですね。円形劇場はブロック違えば全然印象が変わるものですから。行ける人は是非複数回見て、円形劇場の醍醐味を堪能してもらいたいところ。

テンポもよく楽しく見れるので、興味を持っている人は是非今からでも見に行って欲しいなー。佐々木君目当て、とまっちゃん目当てで来ても、きっちり楽しめると思いますよ。そして、新たな趣味に目覚めるんだw

チケット状況は、これを書いている時点で、27夜と28夜(千穐楽)以外はまだ残席があるようです。平日分はe+の方で若干の値引きチケットも出てますので、スケジュール合う方はそちらもどうぞ。公演時間はカーテンコールまで含めて2時間10分程度(途中休憩なし)。

■青山円形劇場 ミュージカル「サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~」(公式サイト)

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音楽劇「オリビアを聴きながら」応援中!

扉座・レイネットプロデュース 音楽劇「オリビアを聴きながら」の再演が、もうすぐ行われます。

個人的大プッシュのこの公演の告知のため、公演終了まで(この時期の投稿時間は、千穐楽の開演時間になっています)、ブログトップにポータル的なものを貼り付けておきます。

■基本情報
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扉座・レイネットプロデュース
音楽劇「オリビアを聴きながら」
「オリビアを聴きながら」

日時:8/22(水) - 31(金) 全14公演
会場:青山円形劇場

作・演出:横内謙介
音楽監督・編曲:尾崎亜美
振付:ラッキィ池田、彩木エリ

出演:
三木眞一郎、舘形比呂一、小牧祥子/
柳瀬大輔、柳瀬亮輔、花柳輔蔵/
伴美奈子、高橋麻理、鈴木里沙、安達雄二、松本亮/
建守良子 安部慎二郎/
石井愃一

音楽劇「オリビアを聴きながら」公演情報(扉座)
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■8/6(月)に行われたブログライター会見のレポ
まとめ編 ←横内さんの発言を中心に、公演概要についての内容をまとめたもの
実録編 その1 ←時系列順に思い出せる限り、発言内容を再現したもの
実録編 その2

■初演時の観劇感想 ※ネタバレを含みますのでご注意ください
音楽劇「オリビアを聴きながら」9/19昼公演に行ってきた。
台風と「オリビアを聴きながら」

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音楽劇「オリビアを聴きながら」ブログライター会見に行ってきた(実録編2)

「その1」はこちら。

というわけで、質疑応答から、その2はスタートしますよー。

まず、1個目の質問。



「自分が演じている役や、伝えたいと思っている。大切なシーンを教えてください」

えーと、質問された方、「つか版・忠臣蔵」の時に、中村座の一員として、踊ってらっしゃいましたよね? 質問の口火を切る役割だったんだろう、きっとw というわけで、全員の回答を一気に。

松本「伴さんがいったんですけど、ひとりがひとりだけやっているのは少なくて、自分も多分5役くらいやってると思うんですが、それぞれに大事にしてることがあって、髪型だったり、表情だったりってのはあるんです。ですが、今回は内容で勝負していきたいと」

安達「タップのシーンです。正直にいうとタップダンス大好きなので、研究所から芝居の勉強をして、それぞれのジャンルのトップアーティストが集まるこの舞台に立たせていただけるのがすごく光栄で。そんな中で、自分が肩を並べられるのはそこ(タップ)なのかなと。あと、シーンじゃないですが、出口が13個もあって、どこからはけるのかわからなくなるくらい、ぐるっと取り巻いているわけで、360度忘れられてる場所がないくらいのシーンが作れたらいいなと」

安部「業界の大先輩の三木さんに噛み付くシーンがあり、お芝居だからこそのきっと一度しかない、再演だから2回目ですね、というシーン」

花柳「麻理さんと」※としかメモが残ってない、ごめんなさい。

柳瀬亮輔「去年はギターだったりタップだったりってのがあったけど、今回は島谷という役に戻りたい。三木さんに若気の至りでああだこうだといっていたりすることが、後で青沼さんも同じことをいっていたり、立場によっていろいろ違ってくるというのを見てもらいたい」

建守「場所で見え方が変わるので、是非全ブロックで見ていただきたい」

高橋「オスカルとアンドレが出てくるシーンがとても好きです」(自分のシーンじゃないのかよ、というツッコミが各所からw)

「組織との絡みの中で、本音を隠して生きている。江本が正にそういうキャラなんですが、一箇所だけ本音が出るシーンがあり、そこが江本らしいところ。そこがすごく楽しかったので、大切にしているシーン」

小牧「『エンドレスドリーム』の弾き語り、音楽劇なので音楽が持つ力、それを表現しているシーンなのでそこを見て欲しいな」

舘形「オリビアという名前で、女性向けっぽいけど、サラリーマンにこそ見て欲しい作品」

柳瀬大輔「勝也、アキオ、左千夫、江本と仲良し4人組みたいなのが、何十年もたっても一緒にいられる関係を見てほしい。昨年横内さんから、この3人(勝也、アキオ、左千夫)は親密な関係なので、是非仲良くなって欲しいといわれ、週5日飲みに行ったりすることを通じて、とても仲良くなれたと思う。ずっと長くいると、ケンカとかしたりして、でもそれを乗り越えて一緒にいるみたいな。例えば『エモちゃん久しぶり!』という台詞から、そういう関係性が見えるようにしたい。去年は1ヵ月半か、2ヶ月であそこまでいけたので、1年経った今なら、どこまでいけるか楽しみです」

三木「10番目を越えると話すことがなくなる。あ、でも順番変えて欲しいってことじゃないです。一番最初はそれで何しゃべっていいかわからないんで。台本持たない状態でしゃべるということは小心者なんで…。すべてが詰まっている芝居なので全部見て欲しい。去年と同じ勝也くんというわけにはいかないので、頑張っていきたいと思う。1度ずつ360回見れば、360回の発見があると思うので…すいません、そんなに公演はありません」

石井「見所は歌と踊り、楽器演奏をしているところ。そこが普通に楽しいところ、自分が見ていてそう思う。自分の役はただの敵役にならないように、青沼には青沼の理論があって、それが何人かの方、1割程度の人でもいいから「それわかるよ」というものがでればいいかなと。7割以上は俺の見方になってくれなんてずうずうしいことは言わないけどw 歌や踊りやアンサンブルを楽しんでいただければ。自分は薬味として存在できればと」

なんとなく、キャラクターが見え隠れするような回答が。「まとめ編」でも書きましたけど、全般的に芝居的な内容を強調したものが多かったですね。



「オリビアの勝也はピアノ教室で変わっていく話ですが、三木さんの中で、何か変わっていったものはありますか」

三木「横内さんと知り合ったことで、すっごい変わってしまった。何年前?(横内「15年くらい前」)
声の仕事がメインだけど、色んな人がいるとこにぽこんと入れてもらったのもうれしかったし、ここにいられるのも横内さんのお陰なので」

三木さんは、声優仕事の場合、キャラを前面に出して、三木眞一郎があまり表に出てこないようにというようなスタンスを取っておられる方なので、自分自身がキャラクターになる舞台の芝居はだいぶ感覚が異なるんだろうなぁとは思います。



「『オリビアを聴きながら』という曲は、あなたにとってどういう存在ですか」

松本「(前置きが色々入り、各所から長いとツッコミが入る)自分は25歳でして杏里の『オリビア~』の印象が強いです」

安達「なんとなく曲は知っていたが、この公演に絡んで初めて全部通して聴いた。すごく好きな曲です」

安部「親とかもこのタイトルを出すと、食いついてきてくれるので、宣伝するにもいいです」

花柳「オリビアの歌詞も、この舞台に出てくる女性も強い存在なので、歌詞を見ると勝也の気持ちがわかるなぁと」

柳瀬亮輔「最初の数枚に買ったシングルの1枚なので、昔からすごくよく聴いた曲です。オリビアニュートンジョンはあまり聴いたことないので、聞くべきかな?」(「いらんいらん」的なツッコミがw)

建守「曲(オリビア)はもちろん知っていたが、この作品がきっかけに色んな曲が尾崎さんの曲だと知った」

高橋「自分の役に絡んだ形でしか聞いていないが、(やよいの)生と死を分ける曲」

「オリビアに限らずですが、すごく刺激的な歌詞が多いなぁ、と」

小牧「杏里のイメージがすごく強い。この作品で歌うことになり、すごくいっぱい聞いたし、歌詞もいっぱい考えたし、考えれば考えるほど難しい歌で、難しさを感じつつ、楽しみたい曲です」

舘形「彼氏を振った気分でステージで弾き語りをやってみたい」

柳瀬大輔「自分のライブで歌ってもいいですか?と尾崎さんに聴いたらいいですよと言われたので、宣伝も兼ねて6月のライブでオリビアをやった。で、やってみたら、コードがすごく凝っていて、エモーショナルなというか、感傷的になれる曲。メロディだけ聴くのでなく、裏にあるものも聴いてもらうと、センチメンタルな気分になれると思います」

三木「ずばり、プレッシャーです」

石井「こういう質問が一番困るんで…。自分は今66なんですが、聞いてたのは、高校三年生とか、そういうので、正直知りません。他の(尾崎)曲も良く知らない。(初演の)映像を見てたら女房とかが『これって松田聖子が歌ってた曲よね』と言っていたんで、女房はわかってるようでした」

これもなんだか、立ち位置がよくわかる皆さんの回答でした。単に「曲」といっても、いろんな見方があるものだなぁと。三木さんの「プレッシャー」ってのは、初演見た人はみんなわかりますね。ぷるぷる指が震えてましたもんね…。



「今回再演ということで、何を変えなくて、何を変えていくのか。言える範囲で教えて欲しい。亜美さんルートから伺った話だと、曲を変えるという発注があったとかなかったとか?」

横内「変えるといっても、大きく変えるわけではない。ただ、1年経つと自分なりにお芝居のやり方とか、見るポイントとかも変わってきているので、そういう変化はある。今回は2回目ということで、先に到達点みたいなものが見えているので、そこを目指して、この人とこの人はどんなつながりがあるんだろうとか、そういうのが舞台ににじみ出てくるといいかなと。ミュージカルというのは、技術的には高いものが必要になるので、その分、芝居がないがしろになっている部分があるんじゃないかとちょっと思っていて、きっちり芝居として勝負していきたい。曲については、1曲だけ盛り上がりの部分を少し直して欲しいという話は尾崎さんとして、これこれこういう形でと説明したら『そうですね』と言っていただけたので、変えていただいた。ただ、細かい部分なので、すごくよく見ていないと気づかないかも知れない」

尾崎ファンとして、初演を見られた方からの質問。思いもよらないところから情報を引っ張ってきている辺りで、会場がどよめいたりしておりましたw ここでも芝居としての内容を見せたいという部分が強調される結果になりました。



「稽古などの、暑さや辛さなどの対策として、何を支えにしているのか」

「そんなのは、みんなで一斉にいっても揃いますよー」という話になり、一斉にいってみると「ビール」という声と「やすやす」という2つの声があがるw

「やすやす」ってのは、本当は「安安(あんあん)」という錦糸町の中華料理屋で、扉座メンバーの御用達店。初演のときは、稽古場が扉座の稽古場がある、すみだパークスタジオだったので、安安に通っていたのだとか。今年の御用達の店は開拓中だそうですw

というわけで、改めてひとりずつ聞いてみると、

安部「コーラ」

横内「家に帰って犬」

三木「寝ていると、寝汗かいてるので、心が休まる瞬間というのは訪れません」

「飲めればビールと言いたいところですが、飲めないのでノンアルコールビール」

その他の方々は「酒」乃至「ビール」でしたw しかし、三木さんのプレッシャーたるや(苦笑)。



ここで一応会見は終了。この後は集合写真の撮影タイム。写真の方は「まとめ編」の方に1枚おいてあります。撮影タイムの後は、プレゼントという形で、劇中歌の「VOICE」が披露されて、終了となりました。

「VOICE」の披露


今回、自分はブログライター会見に初参加だったわけですが、始まってみればすごく楽しく、あっという間に時間が過ぎていきました。次はICレコーダーも用意していきたいなぁ…。そうしたら、もうちょっと写真も撮る余裕ができますからねぇ…。

こういう場を用意してくださった、出演者・関係者の方々に感謝します。

【おまけ】
帰り際、三木さんとちょっとお話した内容を記載。

ひぃす「初演のときに、あまりに痩せられてて、三木さん大丈夫だろうかと心配してたくらいなんですよー」
三木「今年はこれから痩せます!」

いや、待って待って!痩せるの前提なの!?
というわけで、三木眞一郎が文字通り身を削って取り組んでいる「オリビアを聴きながら」を是非、よろしくお願いします。

■音楽劇「オリビアを聴きながら」公演情報(扉座)

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プロフィール

ひぃす

Author:ひぃす
不惑に到達したナンチャッテSE職。アイマス関連や、台湾を中心に海外イベント遠征に関すること、趣味のことなどを適当に書き綴ります。
twitter: heath_77

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